使用機材

私が、UFOCapture を使って夜空を監視している機材を紹介します。(雨対策隙間風対策、3.8mmフード)


左がWat-100Nとそのコントローラー(自由雲台とBNC-RCA変換コネクタが付いています)

右が6mmF0.8 CSマウントレンズとそのモノクロ用補正レンズと補正レンズ用スペーサー

右上がノーブランド25mmF0.95 Cマウントレンズです。

これが私が使用しているカメラとレンズです。


ビデオカメラは Watec社のNeptune 100、通称WAT-100Nです。

基本的に高感度かつローノイズあること、ガンマをOFF(=1.0)に設定できることがポイントです。

いくら高感度だといっても、蓄積カメラやスローシャッターカメラは流星観測には不向きです。

I.I.を除けば 現状では WAT-100N 以外には選択肢は殆どないと思います。


主力レンズは、CBCの非球面レンズを使用した 1/2インチCCD用CSマウント 6mm F0.8です。

選択の理由はなんといっても明るさです。F値が1未満のものが絶対に良いです。暗いレンズではカメラのゲインが上がり過ぎてノイズが増えます。この結果、閾値を上げることとなり、キャプチャできる流星の数はずっと少なくなってしまいます。

CBC F0.8 シリーズであれば、6mm 〜 12mm いずれもそれなりの好結果が期待できます。ピントがロックできるのも良いです。

CBC 6mmF0.8にはモノクロ用補正レンズというのが同梱されていました。私はこれを使っています。

このカメラとレンズの組み合わせは必ずしも最もシャープとは言えないかもしれませんが、なんといってもF0.8の明るさが魅力で、結局多くの人がこの組み合わせを使っているようです。なお、この手のレンズの性能は値段にほぼ比例しています。安物買いはお薦めできません。WAT-100N+CBCは結構高価ですが、現時点では他の組み合わせでは撮れないものが撮れると思います。

尚、モノクロ用のコントラスト改善フィルター、R0、YA3などを装着するとピントが改善するという話しがあり、試してみましたが、結果はあまりよくありませんでした。製品添付のモノクロ用補正レンズを装着した上ではピントの改善は殆どありません。逆に明るさのロスがやはり大きな問題で、結果的にノイズが増えるので、私は使用するのをやめました。このレンズでピントが問題が出るとすれば、オリオン座のベテルギウスのような赤い星です。やはり波長の長い光に対しては収差が目立ちます。赤外カットフィルターなどを試してみる価値はあるかもしれません。

レンズの焦点距離はより長くすればより暗い星まで映りますが、写野が狭くなり、短くすれば写野は広くなりますが、暗い星は映らなくなります。このバランスで6mmが一応星座がわかる程度の星まで綺麗に映り、写野も全天の1/10程入るというわけで好まれているようです。私は本当は4.5mm位の明るいレンズが欲しいと思っています。

6mmはWAT-100Nとの組み合わせで対角68.5度(縦約43度、横約57度)の写野をもちます。以下は実写映像の1コマに星座線などを書き込んだものです。


私が夜空で使用して良い結果が出たもう1つのレンズは ノーブランド 25mmF0.95 です。 これはシャープさはイマイチですが、迫力がある映像がキャプチャできます。手動絞りですので、夜は開放で使用しています。これ以上に長いレンズではキャプチャできる流星数が急に少なくなります。恒星は暗いものは級数的に増えるので視野が狭くなっても映る数が減るということはないのですが、流星はそうではないようで、視野が10度を切るあたりから、キャプチャできる数が視野に比例するように少なくなります。25mmF0.95でのキャプチャサンプルはこちらです。


さて、6mmF0.8をカメラに装着した写真が以下です。

この写真でお気づきでしょうか、私はこのカメラとレンズの組み合わせに2つ工夫しています。

1つは、フードです(工夫という程ではありませんね(^^;;))

40.5mm->52mm,52mm->72mm という2つのステップアップリングで72mm、長さ25mmのフード付けています。フードの長さは72mm径ではこれがほぼ限界でこれ以上長いと画面がケラレてしまいます。本当は花形フードなどがあれば一番よいですね。このフードは月明かりなどの外光を避けてコントラストを上げるのに効果があります。広角なので、外光ですぐフレアが出ます。


2つ目の工夫はアイリスケーブルです。

WAT-100Nのアイリスピン配置は通称Watec配列とよばれるもので、一般的なEIAJタイプのものと2番ピンと3番ピンが入れ替わっています。そこで、私はレンズからのアイリスピンを2番または3番に切り替えるスイッチをケーブルに付けています。これによってレンズはEIAJ仕様のカメラにも仕様できるようになるだけでなく、WAT-100N接続時にはなんとオートアイリスと解放固定の切り替えスイッチに使えるのです。これはWAT-100Nが空きピンをG接続してくれているからうまくいくわけです。開放固定にできると昼間にピントを合わせる時などに大変便利です。

ちなみにレンズにある調整端子は以下のようにしています。

ALC -- A(平均値)側一杯。

LEVEL -- ほぼ中央。(これは根拠を忘れました。今見たらそうなってました)


あと、WAT-100Nにはコントロールケーブルを抜いて使うワザがあるようです。

この場合、AGCはONになりますが、ガンマがOFFにはならないので、やはり星空の撮影には向いていないように思います。


おまけに、このカメラとレンズの設置の様子も紹介しておきます。ちょっとお恥かしいのですが、設置はこんなに安直です。

これはウチの南側の観測ポールです。

カメラが軽いので、ポールはなんと伸縮式物干し竿に金具をつけただけのものです。これを2階のベランダ手すりに固定しています。

夜になるとこれをスルスルと軒の上まで伸ばし夜空にむけます。高さを稼ぐのは、できるだけ昆虫を避けるのと、電線やアンテナなどがなるべく視野に入らないようにするためです。もちろん、強い風の吹く日と雨の日は観測はお休みです。


こちらは北側の観測拠点です。

窓枠に金具を付けてあり、そこにちょっと曲がった金具をネジ止めしてその先にカメラを付けています。

金具は確かケンコー製の望遠レンズ補助金具だったかと思いますが、その曲がりが窓枠の厚みを避けてくれて、かなりガッシリ固定できます。外すときは金具の根元のネジを緩めるだけです。ちなみに、窓は閉まらなくなるので、観測する時はこの内側に幕を張り、家の中に昆虫が入ってくるのを防ぎます。


キャプチャ方向は、最初は北、北極星を中心にすると良いでしょう。

理由は、太陽が絶対に視野に入らないこと。晴れていれば必ず恒星が視野に入ることです。恒星が視野に入らないとピント合わせができません。そのほかの方向にカメラを向ける時には、必ず事前に星空のシミュレーションソフトで月や太陽の位置を確認しておきましょう。朝、撤収が間に合わず、太陽が入るとカメラが壊れます。

月が視野に入るのも趣があって綺麗なシーンが撮れる可能性はありますが、ゲインも落ち、レンズのゴーストも出るので流星観測目的ではあまりお薦めできません。

月が入る可能性が無ければ、天頂方向がもっとも観測としては条件が良いです。外光も少なく、雲も薄く、飛行機や昆虫も少ないです。しかし、火球パトロールの場合は敢えて天頂を外し、低空を狙うのが良いようです。これは低空では遠くの空まで見え、巨大流星のキャプチャの確率が上がるからです。そして運よく他の観測地で同時キャプチャされればその軌道も判明します。低空を狙うと飛行機の数が凄く増えると思いますが、これは致し方ありません。


あと、ピント調整も重要です。

必ず絞り開放でピント調整しましょう。ピント調整はできるだけ大きなモニターを近くに置いて調整しましょう。私は10インチの液晶テレビをカメラの近くまでもっていって調整しています。ピント位置が決まったら、ロックまたはマークしておきましょう。昼間に調整せざるを得ない場合には、カメラのシャッタースピードを最短にするか、アイリスピンをグランドに接続して、絞りが十分開く状態にしてできるだけ遠方でピントを合わせます。最低でも100m以上先で合わせる必要があるように思います。


カメラとレンズの次に必要はなのは、ケーブルです。

ビデオケーブルは同軸ケーブルを使えば20m位までは殆ど問題なく引き回せます。室内への引き込みはテレビのアンテナケーブルと同様です。私の場合、南側の拠点はBSアンテナケーブルを接続変更してそのまま利用しています。もちろん、流用できるのはケーブルのみで、分配器などが途中に入ってはいけません。それに監視する日はBSを見ることはできないのは当然です。

あとカメラの電源の問題があります。電源だけは万一雨が降っても大丈夫なように屋外用機材を使ってしっかり対策しないと事故につながります。


いよいよビデオ信号がパソコンの近くまで来ました。最後に必要となるキャプチャボードです。

私は ELSA社の EX-VISION 500TVを愛用しています。UFO Captureの試験のために10種類程度のキャプチャ器機を試したのですが、中でもコレは一番信頼しています。ドライバは最新のものにアップデートしておく必要がありますが、ソフト技術者から見てドライバの出来が優秀なのです。画質もトップに近いです。これに比べると国産品は汎用性が低いものが目立ちます。

あとは、UFOCaptureを妥当に設定して寝て待つだけです。

参考のため、V1.68における私が常用しているPro版とEx版の設定画面を載せておきます。

これらは、目に見えないような暗い流星も逃さないというギリギリの高感度設定です。条件が悪いと連続キャプチャになってしまうことも発生するかもしれません。普通はRatio, DetectSizeなどにもっと余裕を持たせてくださいね。

UFOCapture Pro V1.68

UFOCapture Ex V1.68

Option Dialiog (共通)


【WAT-100N雨対策】(2003/11/14)

最近、天気予報がよく外れます。そうなると問題なのが、"雨"です。レンズも自動絞りなので、中に電気回路が入っていますし、もちろんカメラには雨は大敵です。なるべく長時間監視しようと曇りがちの日でもカメラを外に出しておきたいのですが、もし、雨が降ったらと考えると、夜おちおち寝ていられません。何のためのUFOCaptureかという根幹に関わる問題なので、ここは1つ知恵を絞りましょう。

対策として、ハウジンクに入れる方法を検討していましたが、私が辿りついた結論はレインコートでした。まずはその外観をご覧下さい。


ナニコレ? と思うかもしれませんが、中にはちゃんとWAT-100NとCBC6mmが入っています。

構成は、CBC6mmに40.5->52mm,52->72mmの2つのステップアップリングの上に72mmのレンズプロタクターフィルタを装着して、さらに72->82mmのステップアップリングの先に82mm径のフードを付けます。そしてアルミのラミネート加工されたジップ付きポリ袋(230*150サイズ)の底を抜いたものをかぶせ、フードの外側にテープで固定します。プロテクターフィルターは一度分解してガラスと枠の間にシリコン系の接着材などを塗り防水処理しておけばより完全です。私の所ではカメラはある程度上を向けるのでジップは閉める必要はありません。なんとも安直ですが、完全に固定するならハウジングに入れたほうが良いと思うのですが、まだまだ移動するので、こうしました。

さて、全天候化に際して、もう1つ工夫をしました。以下がその証拠写真です。

これは、電気工作が得意でない方は決してマネしてはいけないことなのですが、コントローラーの端子の特定のピンをジャンパーでショートしてあります。こうすると、なんとコントローラー無しで、AGC-ON、ガンマOFFになるのです。もともとWAT-100Nのコントローラーは単なるスイッチボックスで中に特別な回路が入っているわけではありません。だからピンさえ分かればそれを接続すれば良いわけです。もちろん間違ったピンをショートすればカメラが壊れてしまうかもしれません。ヒン配置は公開されているわけではなく、製造ロットによって変わる可能性もあるので、敢えて書きませんが、私の機械では3つ又のショートピンを自作して装着したらうまく動きました。本当はこのコネクタのオスを単品で入手して、そこで配線するのが良いと思います。くれぐれも安直に真似をしないようお願いします。


【改良 2003/11/15】

一晩、このレインコートを試した所、月明かりのゴーストが以前よりクッキリ映るようになっていることに気がつきました。フード部を分解して内側から覗いてみるとステップアップリング前面がフィルタの内面に映りこんでいます。また、82mmフードは選択肢がなく長さが1cm程足りません。以前の72mm径長さ25mmのフードはフィルタ無しでギリギリ、フィルタを入れるとその3mmの厚さが原因でケラレが発生します。で、以下としました。

1, 40.5->52mm,52->72mm,,防水フィルタ,72mm径25mmフード(切り込み入り !!)

2.ステップアップリング、フードの表面に植毛紙を張る

つまり、丸フードの隅にニッパで切り込みをいれて、ケラレを無くしたわけです(^^)。

72mm径にしたおかげて、少しスマートになりました。こんな感じです。


それにしても、こんなものが屋外に掲げてあるウチを見たら、普通の人は何と思うのでしょうね。


【進化? 2004/2/6】

また少し変化しました。今回はカメラらしくなく、なるべく目立たず、隙間風がないようにというモットーでトライしたのですが......

これでは、どう見てもカメラだし、防水能力はないし、思い切り目立ちそうです。

本当は電動蓋つける予定にはなっていたのですが........

ま、花形フード代わりにはなり、窓枠に差し込み、雨戸で挟む形式にしたので隙間風は減りそうです。


[CBC3.8mmF0.8用ケース]

2004年2月、スプライト同時観測を目指してWAT-100N+CBC3.8mmF0.8を増設しました。

こちらは水平視野が約90°もあり、6mmと並べればなんと150°もの範囲を一度に監視できます。

これまでのところ、3.8mmは6mmに比べて1等ほど明るい流星しか検出できないようです。でも視野が広いので、ほとんど同程度の個数を一晩にキャプチャするようです。詳細な比較は後日実施したいと思っていますが、とりあえず3.8mmの防滴とフードを考えないといけません。(2004/2/28 6mmと3.8mmの簡単な比較ページを作りました。)

3.8mmは月や地上光でゴーストが極めて発生しやすいです。43mmのフィルタネジがあるのですが、広角であるため、ステップアップリングで径を広げても通常の円形フードではすぐにケラレを生じて、中々役に立ちません。

そこで、四角の視野バッフルを持つケースを作成することにしました。

今回の素材は3mm厚の発砲塩ビ板です。塩ビ用接着剤とテープで固定するだけで一応の強度になります。この素材はなんといっても加工が楽で、カッター1つで作業できるのが魅力です。

防滴用に前面に四角のバッフルをつけたガラスを張ることにしました。このガラスはケンコーのゼラチンフィルター用の透明ガラスで100mm角のものを切って使うことにしました。本当はマルチコートされた大口径プロテクタフィルタなどを四角に切るのが理想です。

上の写真は組立途中のものです。レンズ周辺の内側には植毛紙を張っています。植毛紙を張る前提なら、バッフルもっとギリギリにして開口をひろげ、レンズをより遠ざけた方がフードとしての効果は高かったと思います。

このカバーはWAT-100Nの上部ネジにゲタを掃かせて取り付けます。カメラよりレンズの方が大きいのでしかたありません。写真左はオプションの外付フードです(作ってはみたのですが、本体だけで取り敢えず十分なので使いませんでした)。

子供の工作のような仕上げで恥かしいですが、一応こんな感じです。広角な分、6mmより一回り大きくなっています。胴の部分をもっと絞ればカッコイイケースもできると思います。

でこのケースの効果ですが...左が昨日のフード無し画像、右が本日のケース付き画像です。

我が家の南東には羽田空港があるので、夜半前は飛行機がこんな調子で次々と映ります。さておき、

左の画像では中央右下に街灯のゴーストがはっきり出て一部にマスクまでされています。しかし、右の画像ではそれがありません。とりあえず、成功のようです。

工作はあまり得意ではないので、きっと皆さんの方が良いものを作られると思います。ご参考まで。